Diary | ナノ

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!戯言×進撃
!『翔ける箒星』主人公
!ミカサ視点
!幼少期(ミカサ誘拐編)


黒髪、黒曜石の瞳。白人にも黒人でも無い肌の色。
それが東洋人の特徴だ。
この世界では東洋人は絶滅危惧種とも言われる位希少価値が高い。
故に、人身売買といった裏の人間には狙われやすいとされる。

ミカサはそれを知っていたのにも関わらず、こんな事態になってしまった事をひどく後悔していた。

「純血では無いが・・・」
「・・・それでも、東洋人の血を・・・も継いで・・・」

怖い、恐い。
人の皮を被った鬼が何かを話している。
恐ろしくてたまらない。そう、思っていた次の瞬間。

一筋の風とけたたましい音と共に"黒色"が視界を覆い尽くした。

「っ・・・!?」
「ミカサ!!大丈夫か!?」
「っエレ、ン」
「もう大丈夫だ、助っ人を頼んだからな!」

けたたましい音の正体はドアを蹴破ったから。
風の正体は電光石火の如く私を誘拐した人達を捕らえる為に動いたから。
エレンの後ろで黒い人が赤子の手を捻るかのように動いているのが見えた。

・・・其処でようやく助かったのだと、実感した。
力強い意思が篭った翡翠の瞳。
もう助からないと思ったの、に、

「お、おい何で泣くんだよ、」
「安心したのだろう。悪い意味での涙ではないからお前までが狼狽える必要は無い」
「そ、そうなのか!?あ、そうだ!」
「?」

涙が止まらないままエレンと黒髪の女性を見ると、エレンは神妙な顔つきで頭を下げていた。
・・・どうして頭を下げているのだろう。

「あの、ありがとうございました!ミカサを助けてくれて・・・!」
「ああその事か。何、人間として当然の事をしただけだ。
私は君のその心意気に感心したぞ、今時なかなか骨のある人間はそういないからな」
「え、あ、ありがとうございます・・・?」

膝裏まであるんじゃないかと思う位長い黒髪はとても綺麗で、他の人の黒髪と違う輝きを持っているその女の人は格好良く笑った。
私も、その人も同じ"女"なのに、思わず見蕩れてしまった。

「くくく、東洋人というだけで目をつけられたとは運が無かったなお嬢ちゃん。
まあこれから将来こういう事がまた起こる可能性はゼロでは無いからな、今のうちから護身術の一つや二つ身に付けておいた方が良い。
これは同じ東洋人としての忠告だ」
「!や、やっぱりリンさんもミカサと同じだったんだ・・・!」

エレンは驚いている。
私もびっくりだ、だって東洋人なんてそう何人もいないのが常識だ。
現に私と母さん以外の東洋人なんて見た事が無い。

「私、と同じ・・・!なら、貴女が教えて下さい」

黒のロングコート、黒いズボン、黒い靴、黒のループタイ。
正直、全身真っ黒で唯一違う色があるとするなら東洋人特有の肌と白いシャツ位だ。
強烈過ぎる程の"黒過ぎる黒"に私は、嘆願にも似たお願いをした。

「誰かに、教わるなら、私は貴女が良いです・・・!!」

恐怖で呂律が回らない舌を何とか動かして言った台詞。
エレンが言っていた「リン」という名前だけしか分かっていない、傍から見ればただの正体不明の不審者だったけど、私はこの時直感した。
彼女の隣りなら無条件で安心できる。

何の理由もない、滅茶苦茶な台詞だったけど。

それでも、私を助けてくれたこの日、この瞬間からエレンとリンは私の絶対になった。
だから離れるなんて考えられなかったのだと後からそう思った。

不完全燃焼。とりあえず主人公が誘拐の時にいたら、というif話。ダメだ、原作を読みます。いい加減。
進撃side"人類最強"と戯言side"人類最強"の妹(=主人公)が絡むとどうなるかなと思ったけど破壊活動しかしない予感がする。

July 15, 2014 00:21
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