Diary | ナノ

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!アイのシナリオ
!デフォルト名:因幡遥

ぱんっという音に続いて同様のクラッカー音が響き渡る。
玄関前で思いがけない音に驚いた快斗は体を硬直させ―――目の前にいる白髪の少女を凝視した。

「…な、な」
「…そんなに驚く事?」

こてり。
感情表現が乏しい紅玉が映す彼の姿はキッドの面差しはない。
当たり前だ、今の彼は黒羽快斗なのだから。

「っあったりめーだ吃驚したわ!!」
「別に魚を放り投げたわけじゃないのに?」
「それはマジでやめてくれ」

目に見えて動揺した快斗に遥はくすくすと小さく笑う。
―――最初に会った時とは違う、年相応な笑顔。

(今思えば遥が笑ったところなんて緒方警視を撃退した時位だよな…)

あんな上機嫌な遥を今まで見た事があるかと問われれば答えは勿論無い
思わず隠し取りをしてしまったオレだけど後悔はしてない。
後密かに携帯の待ち受けにしている事は絶対に内緒だ。

「んで?いきなりクラッカーなんて鳴らして一体どういう事だよ?」
「ああ…まあサプライズかな。
今日は君の誕生日でしょ?
誕生日を祝った事なんてにーに以外にいないからよく分からなくて…もしかして何か間違ってた?」
「・・・・・・」

本人は何とも思ってなさそうだが突然の悲しい告白に快斗は思わず滂沱の涙が出そうになった。

コイツにはオレが持てる全てを持って常識その他諸々を教えてやろう。
でないと色々悲しすぎる。

「・・・いや、サプライズとしては間違ってねー・・・のか?」
「どっち」
「あーいや・・・つか玄関で話す内容じゃねーだろ?
せめてリビングに入れてくれよ」
「それもそうだね。ああケーキはあるから好きなだけ食べて良いよ」
「ケーキ!?やった!」
「・・・嬉しそうだね」
「はあ!?遥が用意してくれたんだから嬉しいのは当たり前だ!」

振り返った満面の笑顔に遥は一瞬呼吸を忘れ、彼を見る。

「大袈裟だよ、ばかいと」

苦し紛れにそう呟いた彼女の心理を彼が見抜いたのか否かは本人のみが知る。


二人の距離は少し縮まった時の話かな。
どっちにしろ楽しかったです(*^^*)


June 21, 2015 22:22
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