「お疲れ様です、ドラコ!すごいです!3番目ですよ」

フィオレを抱きかかえて戻ってきたドラコに、ナマエは労いの言葉をかけた。
彼女の周りの女子生徒達から投げられる、好奇ともなんとも言えない視線に耐えきれなかったドラコはナマエの手を引き、列からそっと外れた。


「ご苦労じゃったな、Mr.マルフォイ」
二人の前には、白い髭を撫でながら微笑むダンブルドアの姿。ドラコはむっと眉をしかめ、申し訳程度に頭を下げた。

「君は試験の本当の目的も理解したようじゃしの、上出来上出来じゃ」
「…………生憎、理解できたのは僕だけじゃない」
「少なくとも、理解に対処を重ねられたのは君が初じゃよ」
「ぉあー、い、うー」

フィオレの頭を数度撫でたダンブルドアは、賑やかな方を見つめ、胸元から時計を取り出した。

「この分ではまだまだ時間はかかりそうじゃのう。ふむ、わしの見るところざっと、――30分といったところかの」

それを聞くとドラコは身を翻し、今度は広間の扉に向かって歩き出した。
「ド、ドラコ?まだ試験中じゃ」
「僕らはもう終わったし、他の奴らが終わるまでここで待ってろなんて指示は出ていない」
「でも…」
「いいんだ。校長が許可したんだからな」

驚いて振り返ったナマエは、ダンブルドアがぱちっとウィンクを送る瞬間を確かに視野にとらえる事が出来た。

「――頑張ったご褒美ということでしょうか」
「さあね」
(とにかく、食えない年寄りだ!)

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