ダンブルドア校長の言葉があってから、動物達(男子生徒達)は皆一様にピタリと動くのを止めた。減点されてしまうからだ。

「ぁう、うーう!」
「フィオレ…」

腕の中でフィオレが目を輝かせている。
初めて見る動物たちの姿に興奮しているのは明らかだった。それは、他の子供達も同じようだ。

「…うーん」


カエル、カメ、白鳥にダチョウ、子熊、子パンダ、子羊に…小象?
どの動物も赤ちゃんを驚かせないようなサイズになってはいるが、勝手に変身させられた本人達はたまったもんではないだろう。


「わしがスタートの合図をしたら赤ちゃんを動物達のおる柵に入れるように。女子生徒諸君、入れ知恵は禁止じゃよ」
「せ、先生!」
誰かが手をあげた。
「赤ちゃんがパパを見つけられたら、彼は元通りになるってことですか?」
「左様。なぁに、簡単じゃ…子供は親の匂いが分かるでの」


それでは初め。とダンブルドア先生の合図とともに、子供達がおずおずと柵の中に入れられていく。
――これはもしかして、とてつもない難題なのかもしれない。


「…フィオレ」
「ぁう?」
「ドラコをこの中から探すんですって」


黒真珠の瞳がくりくりとナマエを見上げる。
大丈夫だよ、と言われているような気がして、ナマエはふっと微笑んだ。


「早くパパを見つけ出してあげてくださいね」
「ぁ!」
「…行ってらっしゃい」

フィオレは自分の両足が地面に着くと、動物達の集まる柵の中心へと歩いて行った。
すぐに他の子供達に紛れてしまうが、あの美しい髪を見失うことはあまりない。

―――ナマエには、ドラコがどのような動物に変えられてしまったのかすぐに分かった。
どこかふてぶてしく、高慢に、地面に身体を横たえる姿。
ドラコはとても美しい金色の毛並みの狐に変身していた。

(……それにしても。あのピンクのウサギは誰なんだろう…)

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