「子供達にテストか。ダンブルドアの考えそうなことだ」
「どんなテストなんでしょうね…」


フィオレ達はまだ魔法は使えない。それどころか言葉もままならない、本当にただの赤ん坊なのだ。
そんな彼女達が受ける試験など二人はまるで思い浮かばない。


「ペーパーテストはありえないな。」
「字なんて書けませんからね…」
「じゃあ、大食い競争なんてのはどうだ?こいつはそんなのが得意だろ」

ドラコが意地悪っぽくそう笑えば、ベッドの上で絵本をめくっていたフィオレが「あ゛−!」と非難めいた声をあげた。
怒るなよ、とドラコは肩をすくめる。


「ふふ。……あ!じゃあ、こんなのはどうですか?」
「?」
「庭一面に咲くお花の中から、クローバーを見つけ出す!なんていうのは」
「それはまた、ずいぶんメルヘンだな」
「きゅあーっ!」
「あら、フィオレは気に入ったみたいですよ。」


ナマエの膝の上に這いのぼり、愛らしい顔で両手を合わせた。
「まんま」の仕草だ。

「お腹がへったんですね」
「あ、うー!ま」
「じゃあ広間へ行きましょうか」
「ぁーお!!」

「…ほら、やっぱり大食い競争がいいじゃないか」小さく呟いたドラコの額に、フィオレの脱ぎたての小さな靴下がぶつかって落ちた。

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