「諸君!」
ダンブルドアが声を張り上げると生徒達の顔はそちらへ集まった。広間に集められたのは一学年だけだった為、いつもよりもよく声が響いている気がした。
「子育て生活は充実しておるかね?子供とは、親を見て育つのじゃ。たくさんの愛情をこめて可愛がってやることが大切じゃよ。」
ナマエは、そっとスリザリンの側のテーブルに目を向け、ドラコの膝の上で大人しく座っているフィオレに微笑みかけた。
自分達は、彼女をめいいっぱい可愛がってあげている、と自信があった。
視線を少し上げるとドラコの薄いブルーの瞳と交わった。片眉を上げて(僕らには無用な御託だな)なんて、そんなような同意を求められる。
「そこで、じゃ。テストを執り行うこととなった」
一瞬で広間がざわつく。
「え!?」
「え!?」
ナマエの左右でロンとハーマイオニーも驚きの声を上げた。
ロンは絶望でいっぱいの涙声だったが、一方のハーマイオニーは期待で胸を弾ませていたので、二人の思う所が違うのは明らかだった。
「早とちりはいかん。実はその試験は、受けるのは君らじゃないんじゃよ」
またあちこちから疑問の声が飛び交う。
先生達も微笑んだり不安そうだったり、心底面倒そうだったり(スネイプ先生)と反応は様々だ。
ダンブルドア先生は大きく咳払いをして、言葉を続けた。
「テストを受けてもらうのは、君達のベイビーじゃ!試験内容は当日までお楽しみなので、みな、色んな範囲でしっかり勉強させておくように」
心から楽しげにそう言ったダンブルドア先生。
私達は、一斉に驚きの声を上げるのだった。
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