気が付けばこの企画授業が始まってもう1ヶ月が過ぎた。ドラコは机に肘を置きながらぼんやりそんな事を考えた。

ふと視線をグリフィンドール側に移せば、教科書を一生懸命に写すナマエとその脇で大人しく座っているフィオレの姿が目に入った。
席の間を徘徊しているスネイプは相も変わらず不機嫌そうだ。


1ヶ月も経てば皆慣れたもので、パートナーのどちらかが子供をあやしていればもう一方は真面目に羽ペンを走らせていたりと上手くバランスを取って毎日を送っているようだった。

ただその点で言えばナマエは器用にどちらもこなしてしまうので、僕は必死にノートを取る必要が無い。たいていの事は脳内で処理してしまう性質だからそれについては非常に助かっている。


「………?」

ふと異変に気付いて、息をのむ。


「ど、どうしたんだよドラコ…?いきなり机の下に顔を突っ込んだりして」
「何か落としたのか?」

クラッブとゴイルのおどおどした声など気にしていられない程焦っていた。どこだ、一体どこに…!舌打ちを一つして身体を起こす。その際に机にちょっと頭をぶつけたけどやっぱり気にしてはいられなかった。

「ナマエ!」

静かな教室内に声が響き、驚いた様子のナマエがこちらに顔を向ける。何事かとスネイプもこちらを睨みつけていたが知った事ではない。

ナマエの脇、長椅子の上、やはりその姿はない

「フィオレは、どこだ」

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