うさぎ3

ブラックユーモア







「矢張り、うさぎは寂しいと死ぬようだよ」

やたら得意気にそう言うエーレンベルクに、はあそうですかと適当に言葉を返す。僕は疲れているのだ。

「…何だい、妙に疲れた顔をしているね」

眉を寄せて僕を見つめるエーレンベルクに、ええ、まあと頷いてから、念の為彼にも聞いておこうと口を開く。

「少し人探しを。…エーレンベルク卿、赤の王子を見掛けませんでしたか?」

エーレンベルクは目を瞬かせると、「ああ、それなら」と言って朗らかに笑った。

「家の小屋の中に居るよ。最も、寂しくて死んでしまったようだけれど」


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