▼うさぎ3 ブラックユーモア 「矢張り、うさぎは寂しいと死ぬようだよ」 やたら得意気にそう言うエーレンベルクに、はあそうですかと適当に言葉を返す。僕は疲れているのだ。 「…何だい、妙に疲れた顔をしているね」 眉を寄せて僕を見つめるエーレンベルクに、ええ、まあと頷いてから、念の為彼にも聞いておこうと口を開く。 「少し人探しを。…エーレンベルク卿、赤の王子を見掛けませんでしたか?」 エーレンベルクは目を瞬かせると、「ああ、それなら」と言って朗らかに笑った。 「家の小屋の中に居るよ。最も、寂しくて死んでしまったようだけれど」 |