▼没 「恋は詐欺師」の没 赤の王子は美しいものが好きだ。 そして、その物差しは彼にあり、そこには他の干渉など不要。 彼が美しいといえば、万人がどうあれ、例え瀝青塗れの性悪な幼女だって美しいのだ。 詰まり、美しさという観点においては、彼がルールであり、法律なのである。 又、彼は並ならぬ行動力も持ち合わせていた。 その凄まじさといったら、理想の花嫁を求めて悪天候にもめげず、東西南北飛び回る程だ。 他人に左右されない、自分で物事を見極める目と凄まじい行動力に加え、類い稀なる美貌の持ち主。 その上、一国の王子という立場でありながら、物腰柔らかで頭も切れる。 それが彼──赤の王子という男だった。 だが、然し。 「なんて可憐なんだ…。君はまるで、この白ユリのようだね」 「まあ…!」 だが、然しである。 ------------ 書きにくかったので没 |