その理由

双子王子(青兄赤弟)
赤独白
グロいかも












僕は、「歪んで」いるらしい。

その言葉の意味はよくわからないけれど、兄様曰く「普通」じゃないってことらしい。
「普通」なんて言葉が死体愛好家である兄様の口から出たというだけで失笑ものだけれど、兎に角僕は歪んでいるらしい。

まあ、自分でも少し可笑しいかなとは思っていたけれど、でも、母様にそれを言ったら「自分でそう思ううちはまだ正常だから大丈夫よ」と仰ったから、ふうんそんなもんかと気にしなかった。

…確かに、初めはなんでこんなものをと思ったし、気持ちも悪かった。
けれど、折角母様が用意してくださったものを無下には出来なかったし、余りにも必死に勧めてくるから。
それから、ずっとずーっと母様が亡くなるまでそれを続けて、亡くなられてからは暫く止めていたけれど、また始めるようになった。

え、何故って?
――だって、物足りなかったから。

そりゃ、始めは苦労したさ。
僕は何時も完成品を受け取っていたから、作り方もよく解らなかったし。

でも、なんだろうね。何て言ったらいいのかな。
オモイってやつ?それに対する。ちょっと違うかな、わかんないや。…情熱?ああ、多分それ。
それが強かったんだろうね。

それで、手探りで何とかやってみて……まあ、失敗するよね。うん。
でも、諦めずに頑張って続けて…今じゃほら、こんなに上手く出来る。

やり方とかも色々研究して…、都合の良さとか効率の良さとか。
凄い進歩だと思わない?

父様には才能がないとか怠けてるとか言われるけど、これに関してはそんなこと言わせないよ。
兄様なんかよりよっぽど上手く出来る。

……まあ、兄様はこんなこと、興味ないだろうけどさ。
兄様は死体にご執心だからねぇ…。
僕からすれば、兄様の方が断然「歪んで」いるけどなあ。

まあ、要するにアレだよ。
僕が今でもこれを続けているのはさ、忘れられないからだよ。
味を占めた、って言うんだっけ?こういうの。
兎に角、忘れられないんだ。
















――人肉の味ってやつを。

あは、逃げないでよ。
ていうか、逃げられないでしょ?
君、足ないしさ。
ていうか、僕食べちゃったし。まあ、不味くはなかったけど、あんまり食べるとこなかったかな。

あーもう、そんな顔しないでよ。ちゃんと残さず食べたげるからさ。

今日は、何処にしようね?
愛しい僕の姫君。

何だろう、君の涙の所為かな?
凄く頬が美味しそうに見えるや。
今日は、そこにしようか。

では、お行儀良く手を合わせまして。









「――戴きます」









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カニバが書きたくなった


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