王子

彼は、宛ら破裂寸前の風船のようだった。







と或る国の第一王子として産まれた彼は、国中の誰もが称える「完璧な」王子だった。見目麗しく、腕も立つ、賢明で物腰柔らかな王子。それは人々の理想であり――、願望でもあった。そして、願望は独り善がりな偏見へと姿を変えるもの。
「こうあって欲しい」が何時しか「こうあるべきだ」に変わり、少しでもずれが生じれば忽ち罵詈雑言を口にして蔑み出す。そして、それは波紋のように広がり、凶悪な波となって襲い掛かるのだ。
彼は、それを知らなかった。否、知ってはいたが、それが如何ようなものであるかは知らなかった。
――その身を以て、体験するまでは。







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詰まった\(^O^)/


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