紹介
「にしてもスカート丈、短すぎじゃねぇですかィ?ここは野郎ばっかの真選組ですぜィ?そんなんじゃ、いつ襲われても文句言えやしねェ……あ、そうか、玲姉、無駄に強いですし、返り討ちかねェ?」
「ふふ、心配してくれるのか?んーどうだろうね、皆強いんだろう?」
無駄に、を強調した沖田に対して、それをさらっと受け流す星原。その姿を見て、隊士たちはさっきとは別の意味で固まってしまう。
「まぁとりあえずだ、紹介してくれるんだよね?……大丈夫ですか近藤さん」
「あ、あぁ……」
近藤は魂がどこかにいっているような顔をしていたが、星原に名前を呼ばれて、意識を取り戻した。
「と、とりあえず、皆聞いてくれ」
固まっていた隊士たちは、真剣な近藤の声音に姿勢を正した。
「紹介しよう、とっつあんの紹介で今日から真選組特別医療隊隊長に就任することになった星原君だ。これから、負傷した奴や体調不良になった奴は彼女のところへいってくれ。彼女は俺達とは同じ道場の出で、幼馴染みみたいなもんだが、今日再会したばかりで俺達もその剣術の実力はちょっとわからん。知りたい奴はまぁ、頼んだらやってくれるかもしれん」
唯一の女隊士、しかもそれが隊長になるというのだから、隊士たちはざわざわと話は始める。反対意見も出るだろうという空気だ。
その空気を壊すように凛とした声が響く。
「ご紹介にあずかりました、星原 玲です。唯一の女隊士ということで、不安等々、皆様の御気持ちは理解しておりますが」
星原はそこで一旦区切り、目を閉じる。そしてニヤリと笑うと、少し低い声でこう言いはなった。
「女だからってなめんじゃねぇよ?実戦でなら使える戦力になる自信はあるぞ」
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