Loneliness night VS3年前 いつの間にか、何がキッカケかは忘れたが、12歳のガキと添い寝なんかしてるなんて騎士団の連中に知られたら、引かれるだろうな。 言っとくが俺は女が好きだからな。それも清楚で芯が強そうなーーそう、あの人の屋敷のマリアンだったか言うメイドみたいな女(ひと)が好みさ。 そんなとこはあの人と好みが合う。…まぁあの2人はなんか母子って感じだけどな。 「…なぁっ、暑いから離れろって」 返答は当然何もなく穏やかな寝息を立てて眠る子どもは、しっかりと服を掴んで離さない。 離れないで。 1人にしないで。 そう手から伝わってきて、ジョブスは苦虫を噛んだ。 「……俺が来れねぇ時は、リオンに頼るんだろ」 最初のうちは朝帰りするのは可愛い奴だからそれくらい仕方ないと考えていたが、日に日に気持ちは変化して苛立ちが募っていた。 リオンと添い寝する時もこんな風に抱きついてるのかと思うと、自分はただの代用品みたいで面白くない。 「…ーこんくらい、いいよな」 腹いせに身を動かしカイルに覆い被さって首筋に軽くキスマークをつけた後、征服欲と焦燥感が混ざりあった不思議なものが体を巡って、唐突に罪悪感が ジョブスの中に生まれ、素早く身を起こしやるせなさにジョブスは慌てて荷物を取って、部屋を飛び出して街を駆けた。 上がった荒い息遣いが鮮明に響く静かな夜は、どうする事も出来ない虚しさと寂しさを思い知らされて、ジョブスは家路を走り続けた。 2013.9.14
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