本当の戦いはこれからだ。――ガンツ…




―…あぁ。
やっとこの時が来た、と。

待ち焦がれていた大切な恋人の身体がガンツのレーザーで、現れていくのをリオンはもう待ちきれずに、その倒れ込む身体を抱き締めた。

「…カイルッ!」
「…は、っ…は、……リオ…さ?」

やっと、やっとこの身体を抱き締められる…!
部屋には2人を囲む者がいるという事も忘れ、ただひたすらリオンはカイルの存在を確かめて腕の力を込める。

一方、それを見ていた玄野と加藤、和泉は全く事情が分からず目を瞬かせ、壁に背を預けている少年に訳を教えろと玄野が目で訴えると、西丈一郎は気怠そうに首を斜めに凭れ顎でリオンの腕の中にいるカイルを指して、手短な説明をする。

「そいつだよ。俺らと戦ッてきたッつう奴は」

この幼い少年が……。玄野は喉をコクリと鳴らした。

「―リオンさん!っせ、星人は?!」

カイルは鬼気迫った顔で問い詰め辺りを忙しなく見て、3人―玄野達の存在に気づきリオンと西を見た。

「落ち着け、カイル……リセットしたんだ」

その言葉を理解し飲み込めたのは数分後だった。

「……そっかぁ。…オレ、皆に騙されて…また死んだんだね」

何回目かなんて数えたくもない、自身の最期の遂げ方。
その赤黒い光景のフラッシュバックが脳裏を過ぎって、カイルの身体はカタカタと震えが止まらなくなった。

「――もう、そうはさせない」

震えを抑えようと優しく背中をさすりリオンは固く誓った。

「これからは6人いるんだ。…そうだろう?玄野」

リオンの力強い意志と、守るべき者がいる同じ境遇の玄野は首を縦に振って、黒い球体に振り向いて宣言した。

「あぁ。これからが本当の戦いだ」

6人の瞳がそれぞれの決意を宿して、玄野と同じように前を見据えた。

――さぁ 行こう。


――ガンツ――


――――――――――――
っていう感じです。
なんか加藤と和泉が空気化してますが、ちゃんといます。
複数のキャラを動かすのきついです…;

次ページはグロめのカイル死描写ですので、閲覧注意です。
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