「お前もバカな奴だな」

消毒液を染み込ませたティッシュを優しく傷口に押さえる手付きとは逆に、声のトーンがいつもより低くカイルは身を縮めて苦笑うしかなかった。

「彼奴らには相応の罰を与えておいてやる」

事の起こりは廊下でふざけてキャッチボールをし始めた男子生徒2人の球が、窓ガラスを割り女生徒に降りかかってきたのを、偶然通りかかったカイルが庇い飛び散った破片が腕と頬を切ったのだ。
他生徒の報告を受け駆けつけたリオンは、普段誰も見た事のない程冷徹に男子生徒を罵倒していた。

あんなに怒ったリオン先輩は初めて見たけど、なんて言うか……ちょっぴり嬉しかった。

「…ありがとう」
「礼なら別に貰う」

え?と顔を上げたら目の前に端正なリオン先輩の顔があって、頭の片隅は不思議と冷静に働いていた。
あぁ、キス、されるんだ。

「…ん…、ぁ…」

勝手に漏れてゆく声が恥ずかしくて、それでも、リオン先輩の香りと息遣いが心地良くて。

カイルはそのまま、首に腕を回した。



「……っふ、ァ…や、ン…」
「…次、今日みたいな無茶な事してみろ、こんなんじゃ済ませない…」

……もっと怒って欲しいなんて思う自分はおかしいのかな?って密かに笑ってしまう。
鋭く貫かれてしまいそうな紫の瞳と、汗の流れる首筋が思考をぐちゃぐちゃにして、目眩がする。

「……あ、ぁ…せ、んぱいに……ぁアっ…」

優しく、時に強くナカを抉っていく刺激が初めての頃は痛くて苦しくて辛かったのに、今ではもっとして欲しいと自ら求めて、ずっと繋がっていたいと思う。

「…、…あ!…おこ、って…もらっ、ぁう、の…すき!」

豆鉄砲を食らった鳩とはまさにこの事。
あまりの予想外過ぎる…聞いてる方が恥ずかしくなってしまいそうなバカ発言に、リオンの動きが止まりカイルを見つめ、やや経った後リオンは目を細めた。

「へぇ…僕が真剣に怒ってるのにお前はそれが嬉しくて嬉しくて堪らないと。…この淫乱」
「…えっ!…やっ、そうじゃな…っんん!」

ふわりと、リオンは笑って違う違うと否定するカイルの怪我した方の頬を撫でて…

「じゃあ、もっと叱ってやらないとな?」






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わはは、何でしょうねこのお話。私が一番恥ずかしい奴だよ…
カイル君には無意識にマゾ発言させちゃいました…てかこれ私の欲望の塊です。
リオンって怒った時の顔イケメンというか、そそられません?カイルだってそう思ってくれるはず!

まぁ、…そんなバカ語りは置いといて…
仕上がりまで時間がかかりすいません!
内容も訳分からないリオカイ話ですが、受け取ってください…!


※綾歌様のみお持ち帰りフリーです




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