*世界軸がおかしいけど、そこはテイルズ補正です



――かくして、2人のカイルが集まった…いや、揃った?訳で、初めは挨拶を交わしお互いの世界がどうのこうのと和気あいあいと話に花を咲かせていた2人だったが、ある1つの話題で空気は一風。

それは、



「ジューダスの良さはミステリアスで大人っぽいところだよ〜…」
「それならリオンさんも、クールだし優しいし大人だよ〜」

うっとりと…互いに彼氏自慢をしていた。

「…それは34歳だからでしょ?でもリオンって子どもっぽくない…?」
「ちょっ!呼び捨てとか馴れ馴れしいよ…ダメそんなの!」

オレだって呼び捨てした事ないのに、と何だか妙なところでヤキモチを妬くカイルだが、そんなものお構いなしにカイルは話を続けた。

「なんかカイルってジュ、リオン…さんみたいだよね。さっきの言葉とかさ」
「…え!?そぉ…かなぁ?えへへっ…」

“リオンさんみたい”
単純にもカイルはたったそれだけの言葉で舞い上がり、脳内は愛するリオンさんとのランデブー妄想へと……

「でもやっぱりジューダスが一番だよ!考え方は大人だし冷静だしねっ」
「そっ、そんなことない!……短気だけど…」

確かにユグドラシルバトルで初対面のリタに突っかかったけど、あれは、たぶん…仕方ないんだよ!

「…だけどさ!ジューダスって仮面ストーカーとかむっつりって称号あるんでしょ?…ちょっとかっこ悪い」
「か、仮面ストーカーはオレを守ってくれたから出た称号だもん!」

どうやらむっつりは認めているようだ。
どっちもさり気なく酷い。


「「カイル」」

そんな時、互いに一歩譲らない彼氏自慢に終止符を打ったのはやはり2人だ。

2人を見たカイル達の表情は忠犬よろしく瞳がキラキラと輝き、一方はジューダスにもう一方はリオンに飛びついた。

ジューダスとリオンは愛おしげに目を緩ませ、大切な恋人の髪を撫で胸の中へ収めた。

が、しかし甘くない2人は先ほどの穏やかな顔は何処へやら、厳しげなものに変わる。

「カイル、僕から離れるなと何度言えば分かる」
「ごめん…ジューダス」

お前が何もなかったならそれでいい、そう静かに微笑みカイルへのお小言は終わり、リオンと話しているカイルにジューダスは視線を向け、2人に歩んだ。

「…カイル」

僅かにリオンよりも低めのトーンをした落ち着いたジューダスの声に、カイルは背中を思わず正し敬語で返事をしてしまい、それがジューダスに微かな笑みを誘った。

ジューダスはちらりと、リオンを悟られぬように見てからカイルに耳打ちをする。

「…何?どうしたの…ジューダス」
「…短気で感情を表に出すのが下手な奴だが、よろしく頼む」
「…ふふっ…そんなの百に焼酎だよ」
「…馬鹿。百も承知、だろう」
「……あっ…」

羞恥に赤く染まったカイルに面白くないのはリオンだ。
何か良からぬ事を吹き込んだんじゃないかと疑心に満ちた目でジューダスを射抜きながら、カイルを自分の胸へと引き剥がす。

「カイル、何を言われたんだ」
「えっ!あ、…う〜ん?…なんだろ…」

助け舟を求めてかジューダスに目配せして慌てふためくカイルに、リオンは眉間の皺を深めた。

「不愉快だ」

帰って寝る!などと無様なセリフを吐き捨て、ずかずかと去っていくリオンにこれはマズいと冷や汗を浮かべ、カイルもジューダスともう1人のカイルに挨拶し慌てて追いかけた。


そんな忙しない2人を呆気にとられ見送ったカイルも、さっきのは面白くなくてジューダスの袖を控えめに掴み、こっち向けと引っ張った。

「なんか、ジューダス嬉しそうでむかつく」
「……こっちにも手のかかる子どもがいたようだな」
「…こっ、子どもなんかじゃない!」

――全く、自分に妬くなんてな。

「十分お前も……僕も子どもだ」

釈然としない顔で口を尖らせてカイルは言う。

「…リオンよりジューダスの方が大人でかっこいいよ」

怒ってるくせにカイルはいつも僕の欲しい言葉をくれる。

だからどんなに笑顔と姿、行動が同じだとしも僕は必ずお前しか選ばない。



――――――――――――――
書いてる本人も訳が分からなくなってくる悩ましい同一人物コンビ…(笑)
最後はこのサイトで少ないジュカイでしめました。
結に悩み苦し紛れに無理矢理シリアス風味で終わらせた事と、タイトルには目を瞑ってください(苦笑)

えーっと……ジュカイ&リオカイ話!受け取ってくださいっ;;;

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