戦禍の炎は、

やがて無数の死を代償に鎮火し戦争は幕を下ろした。

最大の敗因。我が国の戦力(ちから)を過信した事だ。

「……予想通りの結末ですね、兄様」

上空は灰色の雲で覆い尽くされ、頬に冷たい雫が落ちてきた。
兄様はこの戦に勝てない事を分かっていた。
しかし、諦めた訳ではない。
我が国を守る為ならばと、兄様は尽力した。ありとあらゆる手段で民を丸め込み、国の士気を高めて敵国に立ち向かったのだ。

兄は鞭と刀を、僕はメガホンで民に演説を。

それでも、負けてしまった。
僕の足元には共に戦ってきた人々の血が溢れかえっている。
腕を飛ばされた者、頭が潰された者、残虐過ぎるそれらのモノを見ても極卒は人間としての感覚を忘れてしまったのか、嘔吐感も何も無く、残ったのは涙も出ない程の喪失感と脱力感。

ただ、負けたんだな――それのみだった。

何と馬鹿馬鹿しい事に命を懸けていたのかと、極卒は口元を歪め握っていた刀を血溜まりに落とした。


――――――――――――
謎文。突発的に出来上がった極卒のよく分からない話;
ただあの兄様と極卒の真っ白い肌に血って映えますよね。


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