ちゅっ、と軽やかなリップ音が頬に1つ。
カイルはポカーンと間抜けかつ紅潮させた顔で、彼を見た。

「、な…に??」

弱々しく言葉を紡ぐ小さな身体を引き寄せて、次は額に。
ますますカイルはリオンが何をしたいのか分からなくなって頭が混乱してきた。

いつもはこんなにキスなんてしないのに、リオンはやめるどころか名残惜しいとでもいうように、額や頬を行ったり来たりとしている。

「リオンさん…何かあったの?」
「別に、ただキスしたくなっただけだ」

キスしてくれるのは素直に嬉しいし喜ばしい事なのだが、普段が普段なので何かあったんじゃないかと心配になる。

「ほら、目を閉じろ」
「……もっとムードとか、あるじゃん」
「したい時にする。それが僕のスタイルだ」

言い返したり抵抗するだけ無駄で、このリオンは言葉と力でねじ伏せてくるんだから、もう諦めてカイルは言われるがまま瞳を閉じた。


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pictの『ぐいっ』のちょっとした話。
リオンはカイルに対してクールな肉食的であって欲しいな…と願望を詰め込みました。


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