ノスタルジー香る時代パロ
軍人リオンと学生カイル




夢や希望を語る事こそ最大の贅沢――それが僕の考えだ。
生きる為には手段を選ぶな、道徳など捨てろ、戦え――国の為ならば。

そう、僕は自身が生きていく為に思っていた。利己的に。

「もう、お前との夜もこれきりかもしれない」

瞳が哀しげに揺らいだとしても、僕には何も言えやしない。

この少年のように、純粋な人間ではないから。

己の手…身体は穢れている。
幾万とは収まらない数の人間を撃ち殺し、時には奇襲だってした。
淡々と、1人1人。


「……リオンさんは死なない…絶対に。死なせるもんか…!」

どうして。
人を殺めた罪よりも、この少年の涙を拭えない事が何よりも辛いなんて。

とんだ話だ。

カイルがゆっくりと頬に触れて、それから手を包み込んだ。
その温かさが心地良くて切なく、閉じていた瞳から静かに雫が零れ落ちたんだと分かると、限界な身体は震えあがり温もりを求めた。

「………死にたく、…ない」

この身体を、髪を、触れない明日が来るかもしれないなんて。

君の声が聞けない明日なんて

「……明日なんて来なければいいのに…」

絶望と悲観的な考え方を嫌う少年から、初めてそれを聞いた時にはもう、愛しさが溢れて嗚咽をとめる術は分からなくなった。


今を生きてる人間が明日を望まない事こそ、夢や希望を語るよりも贅沢だというのに、僕達は浅ましくもそうなればいいと願った。





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日本っぽい。名前が外国人なのはこの際スルーしていただきたい…;

出会いは雨の中虚ろな目で空を見上げて、雨の中立ち尽くすリオンに偶然歩いていたカイルが傘にいれて〜っていうちょっとテンプレ感否めないけど、そんなキッカケ。

………シリアス過ぎて気持ちがずーん状態だわ;;

タイトルがいまいち気にいらないので変えるかも(しれない詐欺)
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