※死ネタ(カイルが微妙に病んでる…?)



色鮮やかな花に囲まれた彼はオレを抱きしめてくれてた時のように、穏やかで優しげな顔で眠っていた。

父さんも母さんも、皆が涙を流したあの日から刻々と時が過ぎた今でも、オレの時間はあの日から動かなくなってしまった。

色を無くした世界はどんなに父さんや友人に囲まれて幸せだったとしても、ここはもう別世界なんじゃないかって思うようになった。

だって大切な彼がいないから。
こんな欠けた世界で幸せになる必要もないから。

「……そんなこと…思っちゃ、いけないよね?」

ダメだよね…?
冷たい墓石を指でなぞって問い掛けてみても、答えがくる訳がないと分かっているのにカイルは縋りつきたかった。
彼に、抱きしめて欲しい。

あの日の少し前、カイルは彼と病室で秘密の口約束をした。

カイルの残酷な約束に彼は困ったように微笑んで頭を撫でてくれて、それから互いに熱を求め合って夜を明かしたのだ。

背中へと腕を回した時ふと見えた月に、絶対に彼は渡すもんか―そう睨みつけて守ってみせると誓ったのに、容易く彼は奪われてしまった。

「…―ねぇ、リオンさん」

ぽろり、ぽろりとカイルの瞳から絶え間ない涙が流れ落ちる。
呼び掛けに応える者はもういないけれど、カイルの瞳には確かに彼が視えていたのかもしれない、リオンを求めるように指を震わせて墓石に手を伸ばした。

「……もうあれから1年だよ。…約束、覚えてるでしょ…?」

――迎えに来てくれるって。

「…寂しくなったら、…迎えに来てねって……言った、だろ!」

ねぇ、いつまで待てばいいの?リオンさん。

「……リオンさんっ…!」

リオンさんは約束破る人じゃないのに。


――きっと迎えは来ない。



―――――――――――――
……。
やってしまったリオン死ネタ…;;すいませんでした。
もう何も言い訳しません…;;;

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