早起きがモットーの僕でも朝の肌寒さは辛い。 仕方ない。寒いのがいけないんだ。 リオンは1人で納得し頷いてから、もう一度布団の温もりへと身を沈める。 「……ん…」 リオンが動いたため隣で眠っていたカイルから声が漏れ、無意識に手が何かを探しさまよった。 「僕はここだぞ」 自分はここまでカイルに必要とされているのが、心の底から嬉しくて考えるよりも先にカイルを抱き寄せた。 瞬間、冷え切っていた体はカイルの体温に容易く支配され、震えも次第に収まって力が抜けた。 「…流石、子ども体温は便利だな」 ふっ…。優しく腰を引き寄せて、リオンはその暖かな温もりに微睡んだ。 ……―あれ…? なんだろ。なんかあったかい……? ふっ、とカイルの頭が覚醒していく。 焦点の合わない瞳を必死に瞬きして数回、目の前の青に驚いて体が強張った。 ゆるゆると顔をあげれば、やっぱりというかリオンが心地良さそうに寝息をたてていた。 普段の皮肉屋であまり笑わないリオンの口元も目元も緩んだ顔に、カイルはふふっと笑った。 「リオンさんの寝顔見れるのって、オレの特権だよね!」 つんつん。 ほら、ほっぺたつついても起きない。 いつもオレに無防備に寝るななんて言うけど、リオンさんだって無防備だよ? ちゅーしたいなぁ、とか思っちゃう。もちろん口は恥ずかしいからほっぺたにね。 「……リオンさん、大好き。おやすみなさい」 今はまだ、この存在を手放したくない。 ―――――――――――――――― 真夏でもナチュラルに暑苦しくいちゃつくのがこの2人だと思う。 ← → |