今夜は彦星と織姫が逢瀬を許される日、七夕だ。

深いネイビーな夜空に散りばめられた小さな光を放つ星達が、なんと儚い美しさを魅せるのだろう。

バンエルティア号は静かに波音をさざめかせ、海を渡っていた。

「――あら、ここにいたのね」
「……守銭奴か」

どこか寂しげな瞳と声色に、ルーティも今だけは守銭奴呼ばわりに目を瞑って、彼の隣に歩んだ。

こっそりと盗み見たリオンは、いつもの生意気で感情の読み取れない顔ではない、もっと複雑な切ない表情だったからルーティはかける言葉を探した。

「静か、だな」

カイルがいないと。そう繋げたリオンの顔は、ちょうど風が吹いて横髪に隠れて見えなかったが、ハッキリと気持ちは伝わってきた。

ふと、ルーティは夜空を見上げた。
あの2つの星は天の川で出会えたっていうのに、ね…。

感慨深くしばらく見つめて、これ以上いても「1人にしてくれ」と、リオンのことだ突き放されるのは目に見えていたルーティは、中に入る前にリオンの肩を優しく叩いた。

「カイルの短冊…あんたにあげた方がいいわね」

体冷やさないうちに入るのよー、きっと言う事は聞かないだろうけどと苦笑いして甲板から消えたルーティを見もせず、リオンは短冊を食い入るように見た。

あまり上手いとは言えない丸っこい字と、願い事じゃない自分への想いが綴られたその言葉に、胸が締め付けられた。

「……全く、つくづく…僕を困らせる奴だな」


『オレの事は忘れてもいいけど、オレはリオンの事ずーっと忘れてなんかやらないからね!』


本当は忘れて欲しくないくせに。
涙でインクが滲んでるじゃないか、バカめ。

「僕だって、お前みたいなお節介バカは忘れてなんかやらないからな」

――いや、もう忘れられないんだ。


また逢えたら一緒にこの天の川を見よう。

「約束だ」




――――――――――――――
うわーんなんか支離滅裂だあ!!
うん、気にしない、気にしない……

ちょっとばかし解説いれると、彦星=リオンで織姫=カイル……を伝えたかった訳なんですが、一応マイソロ2がバック設定でカイルが元の世界に帰ったのが七夕の前日…って話です。

最近切甘だったりシリアス多いな。そろそろリオンも暴走していいと思う。




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