「……ねぇリオンさん…」

涼やかな風がふわりと髪を揺らす。

「…何だ?」

微かに濡れた髪と薄暗い部屋で桃色に染められた肌が、リオンには艶やかに映る。

「リオンさんて……筋肉質だよね」
「な、何だいきなり…おい、そんなに触るんじゃない!」

ペタペタと胸を触りまくるカイルに、先程情事を済ませたばかりで漸く落ち着いてきたリオンだったが、こうも無邪気に身体を触られて何とも思わない訳もない。
ましてや、ほんのり頬を染め純真な笑みを無防備に晒す恋人なら余計にだ。

「…オレ…リオンさんの身体大好きなんだ」

にへらっと、ある意味爆弾発言を平然と笑顔で言うのだから、本当タチの悪い奴だと溜息を吐き腕枕をやめ、リオンはカイルに覆い被さった。

「それは誘ってると受け取るぞ」
「…さっ、誘ってなんかないよ…!」

今更否定したって遅い。
バスローブがはだけて露出された肌に軽くキスを落とせば、小さく跳ねたカイルが愛おしくて不敵に笑い、ゆるゆると身体を上げてリオンは唇を親指でなぞった。

柔らかいそれを、可憐な花の甘い蜜を蜂が吸い尽くすかのように、貪っては優しくして、また激しく貪っていった。

「……んぅ…は、ぁ……」

唇から繋がれた透明な糸が何とも蠱惑的で、リオンは吐息を吐いて離れようとした時、それは首に腕を回したカイルによって阻まれた。

「……やぁ…まだ、ほしい…」

しっかりと抱きついて強請る姿は、無垢で扇情的過ぎて胸が脈を打つ。


夜はまだ長い。




――――――――――――
カイルは無自覚にエロいと思うんだよ。
天然なうえに無意識にMって胸熱っ…

次はもっと(性的な意味で)イジメまくるドSリオンを書きたい。

にしてもカッコいいタイトルが思いつかん…





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