「お前……妬いてるのか?」 「―、!!」 びくりと肩が震えたのをニヤリと笑われて、カイルは訳が分からないといった顔で困惑した。 そんな……見透かされてる? やっぱりリオンさんは鋭くて頭良いな… 「そうか…素直に嬉しいぞ」 「――えっ…?……嬉しい??」 てっきりそんなの迷惑だから止めてくれと、言われるかと覚悟していたのを裏切ったリオンの言葉にカイルは、瞬きを忘れてしまうくらい凝視した。 「だから避けたのか…僕とマリアンを見るのが嫌だから……本当つくづく可愛い奴だな」 「…え、えっ…??」 こつん。まだ分かってないようだな、この鈍感は。 フッ…なんて短く笑われて額を小突かれたカイルからすれば、一体何の事やら?状態だ。 「鈍いお前にも分かるように言ってやる。…―好きだ」 「………うそ、だ…」 うるさいカイルから言葉を取り上げる方法に成功はしたものの、やっぱりそんな反応は面白くないのも本音で、嘘なんかじゃないと額と頬にキスをすれば、今度は赤く顔を染めあげ目をぱちくりさせるものだから、リオンはクツクツと笑った。 「両想いだったのに嬉しくなさそうだな?」 「そっ、そうじゃないし!ちょっとびっくりしちゃっただけだよっ!」 強がる癖に顔を逸らして恥ずかしがるウブなとこが、また可愛いのだとリオンは思う。 抱きしめたいのも、こんな風に意地悪したいと考えてしまうのも、カイルだけだ。 いつだったかマリアンに告白した時、気持ちには応えられないと言われ塞ぎ込んだ事もあったが、今になれば好きの意味が違うと気づいた。 恋愛感情ではなく、どこかマリアンを母親と重ねていた……そんな温かな感情だと、心が成長するにつれ気持ちの正体が分かったのだ。 「まぁ一つ……女に甘えるような男に見られてたのは、情けないな」 というか恥ずかしい。 そう見られるような事はしてないつもりでも、他から見ればそう見えていると知れば、カイルばかりでなくもしかしたら違う人間も…と考えたら、本当情けないったらない。 「…なら…これからはオレに甘えてよ!」 「バッ…お前が僕に甘えてろ!」 「甘えん坊のくせに…」 「それはお前だろ!」 甘えるのは男として格好悪い。断固拒否だ! 「…そんな事より、お前の返事が聞きたいんだが」 答えは人生経験がカイルより長いから分かっていたとしても、ちゃんとした言葉が欲しい。 カイルの…言葉が。 「……、…好きだよ…リオンさんの事…」 そう瞳を瞑るのは困ったり恥ずかしさを隠す時にするカイルの癖。 無防備は良くないぞ、と警告のようにその唇を塞げば驚いて開かれた碧い瞳が綺麗で、深く深く唇を合わせた。 ――――――――――― オ ワ レ ありきたりな内容で無駄に長くてすいませんι どうやら私は片想い→すれ違い→両想いが好きなようです…。 初めはカイル報われないリオマリEndにしようと考えてたんですが、カイルハピエン主義なものでして・・・・ 病リオンなら歪んだ結末が好きなんですがねι ここまでベタな話を読んでいただいた皆さんに感謝です! ← → |