お題1354




「…は?手前なんて言った」


「天国なんて逝けなくていいから、死んだら王子様がお迎えに来てくれますように。だってさ。自殺サイトで知り合った女の子がそう言ったんだよ。天国を信じてるあたりとか、結果的に楽になろうとしている所とか、俺は気に思う事は無かった。だから、また俺が少しその事について話したら何故か怒って逃げちゃったんだよ」

「手前そんな事してやがるのか。つくづく手前は最低な野郎だな。安心しろ。手前がこれ以上人に迷惑をかけないように今すぐ殺してやる」

「シズちゃんは自販機を投げる事しか脳にないのかな。ワンパターンばかりで飽きちゃったよ、とっくに。おっと、ほら。投げ方もワンパターンだから簡単に避けられちゃうんだよ。勢いにまかせた暴力なんて暴力でも力でも無いよね。少しは頭使ったらどうかな。あぁ、ごめん。シズちゃんにそんな頭無いかぁ。あったらとっくに使ってるよね。あっはははは!頭が悪いと大変だね!殺したい奴も殺せないんだからさぁ!」

「っ、殺す!手前だけは本気で殺す!ぶち殺してやる!」

「俺がシズちゃんなんかに殺されると思う?で、さっきの続きなんだけれどさ。その子が居なくなった後色々考えたんだ。考えたとは違うか、思ったが正しいかな」

「ごちゃごちゃ煩ぇよ!っ、避けんじゃねぇ害虫!」

「でさぁ。俺は君に殺されるつもりはないけれど、もしも俺が死んだらさ。迎えに来てよ。俺の事。待ってるから」

「…あ?」

「でもそれだとシズちゃん死んでるみたいだね。俺が先にシズちゃんの事殺して。シズちゃんの分まで生きて最後死んだら迎えに来てよ。死後の世界が無くてもさ」

「それは叶いそうにもねぇな。俺が手前を殺して手前の分まで生きてやるよ」

「それもいいかもね。絶対迎えに行くから。やっと死んだかざまぁみろ。って、散々馬鹿にしてあげるよ」





(殺されるつもりも無いけれどさ)










人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -