お題1048




「死ぬのが怖い貴方が?だとしたら、内心そうでも無いんじゃないのかしら。夢って自分の知らない本当の事を映すとかなんとか。そのうち正夢になるかもね」



「違うと思う。だからこそ夢に見たんだ。俺は交通事故にも負けない死因の一つに興味があって仕方ない。てっとり早いのは自分で確かめる事だけれど、生憎それだけの為に他について知る事が出来なくなるのは負に落ちなくてね。正直何も無いと結論づけてるものだから、他と死を掛けたら他の方が重いと思ってる次第だ。だから死なない。だから周りの人間で知ろうとしたけれど、中々。口だけならいくらでも言えるよね。言葉を随分軽くされたものだよ。で、自分でも他人でも知る事が未だできないんだ。自分の中で知ろうとしたんだろうね。だから夢に見た。高い所からこう、一直線にさ。風に煽られながら。あぁそうだ。あの時の空は妙に青かった。夢にも限界はあるんだろうね」



「で、知る事はできたのかしら」

「夢は夢だって。地面に全身強打する直前で起きた」

「それで仕事を押し付けて悪気無くしていた睡眠から起きたのね」

「頼れる人がいるからこそだよ」

「軽い口ね。先程あなたに言葉が軽いと言われた人が哀れに思うわ」

「弟以外どうでも良いくせに良くいうな。…あーあ、一度即死だろう高さから落ちてみたいな。死にたくないけれどさ。シズちゃんが受け止めてくれないかな。あいつなら受け止められそうだよね。あははっ王子様みたいだね、シズちゃんさ」

「精々ラピュタ気分でも味わっていたら。物語りが幸せに終わる話だと勘違いしてるならね」









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