お題647




嫌な夢を見た。誰もが音楽になっていて俺が目を覚ますとレコーダーが壊れて皆死んでしまったんだよ。凄く凄く可哀想だから俺は同情して口を閉じて静かにしてやったんだ。煩くすると起きてしまうからさ。

そこで喉が乾いたから波江を呼んだんだけれど返事が無いんだよね。何でだろうと探すけれど居ないんだ。そう勿論波江さんも音楽だからね、死んでしまってたよ。優秀な秘書を無くしたんだから凄く残念だったよ本当に。あーあ、また一人で仕事をしなくちゃいけないんだーって。

けれど何か違和感。根元を考えるけれど全く分からない。窓から外をみようとガラスに手を這わせ視線を会わせると特に変わった事も無い。いや違う。誰も居ない。何故。そうだ皆死んでしまったんだ。

途端に悲しくなった。大好きな大好きな人間が一人も居ないんだから、流石に焦ってらしくも無く虚無感に襲われた程だよ。

そしたら居たんだよ。俺以外の生物が。

あぁそうか。君は人間じゃ無いから音楽にはならないんだっーて。だから俺とお前は此処に居るんだって、嬉しくなった。

嫌な夢だろう?むかつく。死にたくなるね。今なら死にたいと口に出すだけの奴等に同情できるよ本当に

でも、もしかしたら
最後まで一緒に居てくれるのって
あいつなのかも、しれないね


「私だって一緒に居てあげるわよ」



無理だよ
波江さんは音楽だから死んじゃった













「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -