お題615



「そう言えば前に一度客として来た時、此処に入るの随分躊躇ったのよね」

「躊躇う?情報屋なんて信用ならない人間に弟の事で頼るなんて嫌だったのかい」

「別に誠二が見付かれば何にだって頼るわ。そうじゃなくて、何て言ったら良いのかしら…あぁ、気持ち悪かったから」

「それは俺の居るこの部屋が気分を損ねる空気だったって事かい?」

「そう、貴方の住んでる空間が気持ち悪いものだったのよ」

「それは随分酷いなぁ。まるで俺が根元みたいじゃないか」

「随分鈍感なのね。私はそう言ってるの。まるで貴方の内臓の中に居るみたいで、本当に気持ち悪い。吐き気が止まらない」

「まさかの現在進行形」

「いや、今ではもう慣れたものよ。私も他の信者達のように毒されたのかもね」

「波江が俺に?あははっ嘘だよそんなの有り得ない。だとしたらそれは波江さんじゃ無い事になるけれど現に波江は俺の目の前に居るじゃないかあはははは」

「そうね、冗談よ気にしないで頂戴。あぁ、本当に気持ち悪い」











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