私が悪い

好奇心から立ち入り禁止の廃墟に入ろうと駄々を捏ねたのが悪かった
危ないから止めろと言う静止の言葉を聞かなかったのが悪かった
それでも行こうとする私の為に付いて来てくれた彼を留めなかったのが悪かった

全部全部私の所為なのに


「ごっごめ、ごめんねぇ…」


口から洩れるのは謝罪の言葉しか無かった
自分の馬鹿げた行動と自分を庇った相手に兎角謝る事しかでき無い
意識が無い身体から彼の髪色と同じ物が黒い服に滲んで行くのに泣く事しかでき無い
私の所為なのに私は何もできなかった。どうして良いのかも分からなかった


「ごめんなさい、待ってて。
直ぐに助けを呼ぶから、待ってて」


私が今すぐ助けてあげられたら良いのに今は唯走る事しかできなかった。それなのに責めようとしないなんて。
だから私なんかに付き纏われるのに。可哀想。










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テーマ「人外ファンタジー」
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