「ねぇ、グリーン。指きりの約束を破った時の罰ゲームって知ってる?」

「指きりの罰ゲーム?あぁ、針千本飲むって話だろ」

「それだけじゃない。指きり拳万ってね、最初に歌っているじゃないか。針を千本飲んだ上で一万回殴られるんだ」

「まぁ、そんなんだったろうけど」

「相手に向かって約束を守れなかったら針を千本余す事無く飲ませて、お前を一万回殴り続けてやるって言ってるんだよ。怖いよね」

「裏切り者には妥当なお仕置きっつー事だろ」

「でもね、元々大体指きりって元々は江戸時代に遊女達が好んだ儀式のひとつなんだ。愛の誓いが本気であることを証明する為に小指の第一関節から先を切り落として相手に与えたらしいよ」

「へぇ、そこまでして気持ちを伝えたって事か。随分艶っぽい話だけれど、本当に指を切ったのかよ」

「実際に指を切った遊女は少なくて刑場から死体の指を集めたり、造り物の指を購入していたみたい」

「死体の指って…まぁ、普通はそんなものだろうな。誰だって指が無くなるの嫌だろ」

「でも、相手よりも自分を優先するなんて本当に相手を愛していたって言えるのかな。たかがその程度の気持ちだったんだろうね。僕ならグリーンに喜んで小指を差し出すよ。小指どころか十本全部。あぁでも小指を渡す事に意味があるんだっけ。いや、指を切り落とす程愛していますって意味で不便さの少ない小指を選んだって事ならどの指でも何本でも良い筈だよね。なら喜んであげるよ」

「それは遠慮したい」

「そうだろうね。僕だって本気でそんな事しないよ。気持ちの問題」

「まぁ、俺だって別にレッドなら良いけどな」

「え、それは嫌だな。グリーンの指食べたく無い」

「え、食べんの?」









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