「グリーンはさ。生まれ変わったら何になりたい?」
「いきなりどうしたんだよ」
「良いから答えてよ。ねぇ」
「そう言うお前はどうなんだよ」
「質問に質問を返されるのは苛々するよね」
「悪かったな。いきなり唐突に訳の分からない話をされたらまず質問の意図を聞きたくなるもんだろうが」
「うざったいね。良いよ答えてあげるよ。僕はね、僕になりたいんだ」
「はぁ?」
「僕は結構この人生に満足してる。いや、満足って訳じゃ無いんだと思うけど、気に入っているんだろうね。次の毎日も、僕は同じ毎日を送りたいよ。何も無い町に生まれた僕は隣の子と仲良くなって、大人の言葉を耳にする事が多くなるにつれて君は僕を目の敵にして行くんだ。それは誕生日を迎えて町を出あの日から事大きくなって、君に見捨てられたく無くて僕は頑張って追い掛けたのに、君に認められたくて強くなったのに。最後は結局君の隣に並べなかった」
「んだよそれ。嫌みかよ」
「違うよ違う。そんなんじゃないんだ。だって、そうだったからこそ。今グリーンは僕の傍に居てくれるでしょ。だから僕は次もグリーンと居れるように、僕になりたいんだ」
「何言ってんだか。大体それじゃあ生まれ変わったって言わねぇだろ」
「そうかもしれない。でもほら、大体生まれ変わるなんて事有る訳ないじゃないか。グリーンはいつも変な事言うよね」