レッドがシロガネ山に居ると感性的知覚や論証的認識に関わらず直接思考下に置いたのは随分と以前からで、それを直感したのはお互い幼なじみとして競争相手として友達として物事を見定め理解していたからだろう。それでもシロガネ山に足を向け無かった理由は唯の確信も無い仮定の話だと思い込みを重ねたからだ。

人間関係と云うのは自分が考えている以上に脆弱な基盤から成り立つ物と知っているからこそ。今まで築き上げた物は今では全て欠落し崩れ落ちてしまっている気がする。繋がりが消えただけで無く、あいつが俺との間に置いた障壁は目に見え無い程壊し難い物だった。いざ会う時が酷く怖くて仕方が無い。

臆病者だ笑ってくれと開き直り、相手が一方的に置いた距離を気付いた時には自分が今でも増やしている。仕方無いだろ。レッドは自分から居なくなったんだ。シロガネ山にあいつは居ない。俺は十分あいつを探して見つけ出せなかった。それで良い。あいつはとっくに死んだんだ。それで良いじゃないか


「目に見えるのは光を反射するからで話すのは生体が空気を振動させるからだろ。肉体を持たない霊をどうやって見る事ができる?簡単な話だ、お前生きてんだよな。勝手に俺はお前を死んだと決め付けた上で、だったらシロガネ山に行ってもレッドは居ない事を確実にしようと来たのに、何でお前生きてんだよ。本当、後悔した」

「へぇ、生きてると思うの?肉体を持たない霊が見えるのは寒さからの幻覚か、そいつの頭がおかしいだけだ。きっと今お前が話している僕は妄想かもしれない」

「あぁ、それが確実だろうな。俺がどーかしてる」

「認めるんだ」

「大体、テメェに惚れた時点で俺はおかしいんだよ」

「本当、グリーンって馬鹿だよね」

「煩ぇなー、取り敢えず下山しろよ馬鹿。半袖って気違いにも程が有るだろ」

「知ってる」

「即答で認めやがった」

「グリーンを好きになる時点でおかしいからね」






あぁくそっ!くだらない意地張らないでさっさと会いに来れば良かった!








人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -