先輩の本音 「練習はここまでにする」 午後4時半。円堂監督の代わりに鬼道さんが監督になった日。 俺は猛烈に疲れていた。 (いつまでこんな練習すんだよ・・・ッ) 次の相手は名門木戸川清秋。 10年前にイナズマジャパンとの試合で、ヘブンズタイムやゴッドノウズの必殺技を もつアフロディがいま木戸川の監督をやっているらしい。 実際に小さい時はただボールを追っかけて、誰も寄せ付けず蹴っていたオレにアフロディとやらのすごさは分からない。でもここまで鬼道監督が俺たちを練習させるのはきっと相手が強いことを知っているからだ。オレはそんな事を思いながら部室へと向かう。 「あはは、剣城何で照れてんだよー」 「照れてねえええええ!!!!」 「今日も疲れましたよぉー・・」 「まあ明日も頑張ろうよ」 「何がしてェーんだあの監督・・」 「倉間も落ち着いて・・ね?」 ごちゃごちゃ声が聞こえる。入りづらい。部室の前で立ってるのはいささか不審者のようだが、こいつらが出るまで部室には戻るのは無理だ。 「あれ狩屋のやつは?」 霧野先輩の声だ。 「ん?・・・そういえばいないな。トイレとかじゃないか?」 「トイレか・・。・・あいつって見かけによらず可愛いとこあるの発見したんだ」 「・・可愛い所?」 神童先輩が聞き返す。オレの話をしている先輩の顔が見たい。 「ん、や、あいつたぶん俺のこと好きなんだと思うんだ。それで・・、ずっと俺の方見てて、目合ったら顔赤くしてうつむくんだよ」 「・・まさか。あの短気でズバズバ人の痛いところ言う狩屋が?」 「あぁ。一瞬だけど、可愛いって思っちゃったんだよ」 あー、ヤバい。 ヤバいヤバい。 先輩 大好きです。 - - - - - - - - - - すごく甘い小説になりました。 陰で自分の事可愛いだの言ってて照れる狩屋可愛いと思います。 |