悪魔付き手帳 ■プロローグ レイヴン共和国。ハリアム学園高等部。 先生に連れられて、1人の転校生が来た。 「俺はレイル・ヴ・ネオヌエ。あまり人と関わりたくない。」 そういうと、先生が「じゃあ、ニアの隣ね。」 といい、そいつは俺の隣に座り、俺のほうを見て、鼻で笑った。 「・・・。」 その日からそいつと俺の旅は始まったー 【第1章】 朝は気分がいい。天気も快調だ。いつものように制服に着替え、髪をそれなりに整え、教科書をバックの中に詰め込み、指輪をした。 この指は、俺の子孫代々受け継がれている。よく俺の祖父が言っていた。 ―この指輪はニアにとっても私にとっても大切な指輪なのだよ。 だからもしこの指輪をつけている時に君が危なくなったら、こういいなさい。 「血の民よ、我に仕えよ!」 というのだよ。 この指輪は私が死んだら、お前にやるからな。大事にするのだ。それが、その言葉が最期に聞いた祖父の言葉だった。厳しかったけど、優しい祖父だったのに。何であんな死に方をー。 俺は使い人に「いってらっしゃいませ」と言われながら、学校を急いだ。家は山の奥の奥にあるから、学園まで遠い。でも俺は走るのが好きだから執事や母上に 「お車で送りますか?」とか「お車で行かれないの?ニア」などと言われても断る。 新しい靴で走りたいのは誰だってそう思うじゃないか。 そんなことを考えながら、ニアは学園に着いた。 ゲートの中に入ろうとしたとき、誰かに腕を掴まれた。 「あ?」 「顔貸せ」 「は?まっ、ちょっ!!」 帽子をかぶった男は俺の腕を思いっきり握り、森の中へと連れ込んだー 「−で、俺に何か用?こんな山の中に連れ込んで」 あたりは虫の鳴き声も聞こえなく、静まり返っていた。 「質問したいことがある」 帽子を深くかぶりながら、そいつは掠れた声で言った。 「何?俺学校に行かねーと先生に怒られるんですけど」 「家族から聞かされてないのか?」 「何を?」 本当だった。 俺は今日、いつものようにいつもの態度で家を出たはずだ。・・・家族から聞かされてないのか?だと?意味わかんねー。お前の思考そのものがおかしいぞ。 それにしても何なんだコイツ?俺を門で待ち構えて連れ去るなんてありえねーよ。まじで。顔ぐらい見せろっつーの。ムカつく。 「ったく。しょうがねー奴だな、お前は」 「は?」 「僕たちは仲間だ。これから一緒に戦う仲間」 さっぱり意味不明なんですけど。 「戦う?お前は一体誰だ?」 「俺?俺はレイルだよ」 「えー?」 レイル?レイル、レイル??どっかで聞いたことのあるような、ないようなー・・・・。 「転校してきただろ?昨日僕が。」 そうだ。 「で、そのお前が俺に何のようなわけ?」 「お前は選ばれし者なんだよ、僕もだけど」 「は?」 「説明するよ。ニア、お前は僕と共に悪魔と闘ってもらう。お前は魔法がそのうち 使えるようになる。まぁ・・、僕はもう使えるけどな」 レイルは真面目に俺に言ってきた。 にしても・・・ 「何でよりによって俺なの?」 「選ばれたから。しかもお前しかなれないんだ」 「・・・は?」 こいつは意味がわかんねー。頭がおかしい。 悪魔と闘う?・・・俺は悪魔退治をすれ、と言ってるのか。はっ。くだらねー。 「何のために俺がそんなことをやる?」 「僕のためさ」 - - - - - - - - - - |