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「すごいね―!どんな奴?」

十分に間をとって、やけに明るいリクの声が響く。
それ以外の奴等は、不自然なほどに静かに沈黙している。

それに内心で首を傾げながら、あの人へと想いをはせる。刹那のあの人。

「・・・不思議な人。」

正確に言えば、不思議な瞳を持った人。

見たことも無い輝きだった。
珍しいどころか、あんなものは他に無いんじゃないか。

そして、その希少すぎる瞳に、俺はすっかり魅入られた。
今までの平淡な繰り返しの日々が嘘のような、強い恋情。


思い出すだけでなんだかクラクラして、顔を手で押さえた。
・・・だめだ、こりゃ。


「俺、帰る。」

異常すぎる俺は、SHRが始まる前に下校した。

フラフラしてて、変な奴だと見られただろう。
もしかしたら、病人だと思われたかもしれない。

それは、ある意味正解だ。
俺は、重い病気にかかった。治療法も分からない、突発的な病気。


“世界で一番幸せな病”とかいうやつに。




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