×NARUTO
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リクエスト【ナルトでシカマルの理想のお嫁さん(笑)になってほしい】




 アカデミーでの授業は男女混合のものが多いが、女子には女子だけの、男子には男子だけの授業がある。立派なくのいちになるためにはお茶、お花などのお作法も大事だしお女中として潜入する際に必要な着付けとお掃除、お裁縫。そしてお料理が出来なければ、というのが方針として掲げられていた。
 女子は大変だなーと思っていたのだが、幼馴染の山中いの、こいつの話を聞いている限り完璧にこなせる奴は少ないらしい。それぞれに特化しているやつはいるらしいが、それでも他の科目になるとそこまで良い成績は出せないそうだ。

「まあ私は別だけどね」
「あーはいはい」

 合同授業での成績であれば割と分かるが、専門の授業に関しては女子たちが公言しない限りは彼女たちの成績は男子には分からない。しかし男子たちにも成績が一番分かりやすいのがお料理の授業だ。その時間は男子が外で体術に勤しんでいるといい匂いがしてくることが多いので、「ああ、今女子たちは調理実習か」とすぐに分かるし、出来あがった料理を昼食として食べていたり意中の男子にあげたりするので、上手いか不味いかというのが分かりやすいのだ。やれ誰それのは不味かっただの、誰それのは美味かっただの、親に作ってもらっている奴がほとんどのガキの身としては何も言えねえだろうがとシカマルは思う。自分で作ったことがあるのなら別だが。

「さ、ご飯にしましょうか!」
「あ、ごめんいのちゃん。先に食べてて」
「えー?どこ行くのよー」
「リヴァイ先生のとこ!」
「アンタリヴァイ先生好きよねー」
「うん好き」
「リヴァイ先生もクールでいいけど、私はサスケくんのほうが好き!」

 専門授業の成績は異性にはばれにくいのが常であるが、ナルトみたいにドベだったり、サスケみたいに上位だったりするとそれは噂として話に上がる。男女ともに噂に上がるのがナマエの専門科目での成績である。彼女は体術こそ並の成績だが、専門科目に関して言えば教師陣を唸らせるほどだとか。いまもいのが「この間のお菓子を作る授業でプチケーキをもらった」だの自慢をしてくるのだが、ナマエの作る菓子に限らずどの料理もとても美味い。チョウジがねだった際に俺もおこぼれとして貰えたのだが、正直お袋の作るサバの味噌煮より美味かった。そこからである。餌付けされたことにより単純だがナマエの事が気になり始めたのだった。

「リヴァイさーんお弁当忘れてましたよー」
「ああ、すまん。だがアカデミーでは先生と呼ぶように」
「あ、すみません。ついいつもの癖で」

 たとえ婚約してるとか、一緒に住んでるとか噂のリヴァイ先生がいたとしてもだ。こっそり想うだけならバレねえだろ。ナマエは料理だけでなく着付けの色合わせも素晴らしいとか、掃除も出来るしお茶も出来るしお花を活けるのも得意なのだとか、そう噂で聞いた。料理を教わるために同じ班になっていたいのは、持ち前の明るさと姐御気質ですぐに仲良くなった。いのと仲良くなったということはサクラとも仲良くなったし、チョウジ、そして俺とも喋るようになった。合同授業では隣の席に座ることも多くなったし、調理実習後はお袋の弁当と引き換えに飯をくれることも増えた。他のおうちのお弁当って美味しいよねと言って笑うナマエは可愛かった。

 今日の実習ではパウンドケーキを作ったらしく、いのとナマエの作ったケーキが机の真ん中に置かれている。ほんのり緑色をしているのとマーブル模様の方はいのがつくったもので、黒いツブツブが混ざっているのと茶色いのがナマエ作のケーキだ。ナマエが作った方は少し減っていて、その分はそばを通ったナルトに嘆願されたためくれてやったのだとか。あいつついに泣き落しを使いやがってめんどくせーやつ。ナマエが大事そうに小さめのトートに収めた分は、もちろんリヴァイ先生の分だろうな。

「いっただっきまーす!」
「ねえねえナマエといの、これ何が入ってるの?」
「えっとね、紅茶っていうお茶っぱと、茶色い方はチョコレート」
「私のはー、抹茶とチョコマーブル!」
「へえ、美味しそう!」
「ああ、美味そう」

 まずはナマエが作った紅茶のケーキを食べる。甘すぎず、ぱさぱさせず、俺の好みにぴったりで本当に美味い。ナマエといのもお互いのつくったケーキを食べ合い、感想を言っていた。話しながらナマエは持参した水筒を開け、紙コップにお茶を注いで渡してくれた。出来たやつだ……。

「ん、ナマエこれオイシイー!」
「ほんと?よかった。ケーキにも混ぜてる紅茶なんだけど、アイスティーにするには合わない茶葉なんだけど、上手く淹れられてるみたいでほっとした」
「ほんとにオイシイ!おかわりちょーだい!」
「ぼくもぼくも」
「……俺も」
「へへ、嬉しい」

 そう言ってにへっと笑ったナマエの笑顔の破壊力たるや。鼻血が出てないか、俺はさりげなく鼻をすすった。


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