カルラ、自立する。

 拝啓 リリアーヌ・アイカシア・コラソン・ウィッティングトン・シュルツ様

 よう。俺だ。カルロだ。やっぱりリリアの姉ちゃんの名前は相変わらずなげーな。
俺も今年で15歳だ。養護施設に預けられて3年もたった。同期の奴の中には施設から出てった奴もいればここで働く事にした奴もいる。俺もそろそろ外に出て働いて施設に恩返ししようと思ってんだ。
そこで、だ。仕事見つけるまで家に泊まらせてくれねぇか? 雑用とかも全部俺がするし・・・。良くてもダメでも返事はくれよ。んじゃーな。
                           敬具   ラーチカのカルロより

 首都特別区域のアパートの郵便受けを覗いた女性。
「ん?」
 友達の中でもあまり知られていない自分の長ったらしい本名を見て首をかしげ、それを開き、
「おぉ!」
と、喜びながら返事を返した。
 机で鼻歌を歌いながら手紙を書くリリアにアリソンは、
「何?あ、もしかしてへタレの王子様から手紙?」
と笑顔で言い、
「違う!」
と照れながら返した。





 拝啓 カルロへ

 お手紙ありがとう!是非歓迎するわ!いつにする!?今度の真昼の夜の日にする!?
こっちから迎えにいくわ!
                               敬具 リリア・シュルツ


 いつもどおり朝早く郵便受けに施設宛の手紙をとりに行った女性は、
「ん?」
と首をかしげながら一つのおしゃれな手紙を見て、
「まぁ!」
 カルラ宛てね!と、喜んだ。

「はい、カルラ、手紙よ。カルロって書いてあるけどね。」
「お、サンキュー。」
「女の子なんだから言葉遣いいい加減直しなさい!」
「えー。別にいいじゃねぇか。それに普通にカルラって呼ばれるようになったし。」
「それはそれ!これはこれ!」




 拝啓 リリアーヌ・アイカシア・コラソン・ウィッティングトン・シュルツ様

 ありがとな。しかもわざわざ迎えに来てもらうし。今度の真昼の夜の日だな! 朝のうちに施設の人に挨拶しとくぜ。あ、そうだ。その時へタレの王子様とは今どうか教えてもらうからな!



 首都特別区域のアパートの郵便受けを覗いたリリアは、
「あ! 来てる!」
 そしてその内容を読み、とある箇所でで顔を赤く染めながら、
「よし!」
と意気込んだのだった。



カルラ、自立する。
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