7. Someone said children had six senses.


「あれ?」

 靴を履きつつ、廊下に出てきてオレを見送りにくるヒルゼン様の方を見て声をあげた。

「うん? どうしたのかね?」
「じーじぃ、いまだれかとおはなししてた?」
「いー、や? だーれもいなかったわい」
「えーぜったいしてたよー!」

 今暗部の人と喋っていたような気がするんだけどな〜? 多分。そこまで自信ない。

 ヒルゼン様はというと、何もなかったようにニコニコしているが、心の中で子供の鋭さに冷汗を掻いてるはずだ。
 子供というのは鋭い。たまに働く勘がすごい。

 いつもいつも、オレが火影邸を出る際にヒルゼン様が暗部に何か指図しているのはわかっている。声は聞こえないものの、ヒルゼン様が椅子から立ち上がって少し歩いた後、少し止まるのだ。これはヒルゼン様のくせである。
 といっても、もちろんオレがそれを見ているわけではない。足音を聞いて判断している。ヒルゼン様の癖はオレの昔の記憶からの持越しだ。

「ふーん。ぅんしょっと。いってきまーすってばよ!」
「ほい、いってらっしゃい」

 オレだって毎回ヒルゼン様に「誰かいなかったか」だなんて聞いてるわけではない。でも子供というのは鋭いから、たまに大人にギクッとさせること言わねばならない。子供を演じるのは大変である。
 さーて、今日はどこ探検すっかー。





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