6. Where are my Mom and Dad?


 里中がオレを睨んでくるわけでもなく、ある程度の人はすでに過去を封じたのか素通りするし、少数の忍も然りで、中にはじっと見つめてくる人もいる。

 昔の友人を見つけて、素通りされたのにはなんとなく残念だった。なんと気持ちを表せばいいのか……なんか残念だった。
 あと昔の家族もいたりした。彼らと過ごしたのは長いほうで、十三年も一緒にいた家族だ。悲しくはなかったけど、見かけるとなんだか切ない。

 全てではないにしろ、一部の人がオレをなんだか親しい友のように見てくるのは、きっとオレの勘違いではないだろう。

 うずまきクシナ。その名は、波風ミナト先生の妻のもの。
 そして、オレの名前はうずまきナルト。

 これらのことをつなぎ合わせて考えられること――オレはお二人の娘であるということ、だ。
 喜ぶべきか、はたまた悲しがるべきか。普通の生活はきっと送れないけど、生まれつきの才能は備わっているだろう。
 
 しかし、ミナト先生とクシナさんがいらっしゃらないのはどういうことだろうか。娘の育児放棄だなんて考えたくないし……。考えたくはないが……まさか亡くなってしまったのだろうか

 忍に世界は死は付き物だ。しかもそれがいつも最前線で活躍していた人なのならば。
 今大事なのは、オレがうずまきナルトであるということ。

 少しでもクシナさんと関わりがあった人なら、わかるのだろう。オレがクシナさんの娘であると。

 オレの髪の毛はオレンジ色だ。緋色にも近い。万が一にも、ありえないとは思うが、クシナさんが他の金髪の人と浮気して産んだのではなければ、ミナト先生の金髪とクシナさんの緋色が混ざってこの色なのならば、大変名誉だ。ちなみに瞳は水色。ミナト先生ゆずりだ。

 まあ、そんなこんなで、うずまきナルト、三歳。職業は九尾の人柱力、というべきか。

「ねーじーじおれひっまー! なんかあそぼー! ねーあそぼーよ!」

 で、火影邸預かりなわけだが、生まれてこのかたビワコ様を一度も邸内見かけたことがない。
 ヒルゼン様が病院に言って誰かをお見舞いしている様子もない。女は通常夫より長く生きるが……。ビワコ様はもう亡くなってしまったのだろうか。
 人の命とは――儚いものだよね。




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