23. I was worrying about them.
やっぱり、戦うのは怖いよ。
規則的な包丁の音が聞こえる。なんだろう。ゆっくりと視界が開ける。
目の前に見えるは畳。そうだ、ここ、手綱さんの家だ。
昨日は再不斬と戦って、再不斬が倒れて、霧の追い忍が連れてった。みんな疲れてた。
カカシは比較的役立たずだった。上忍でアレはないでしょ……。あの、あれ、あいつの、あれですよ……。あの、写輪眼を使うのはどうやら体に負担がかかるらしく、手綱さんの家までは手綱さんが肩を貸していた。護衛は我々下忍三人が請け負った。
再不斬を倒したことで、みんなは比較的に油断していた。だけど、オレは気が気じゃなかった。なんてったって霧だ。霧の人だ。昔は霧で忍者をしていたこともあるこのオレだ。追い忍の仕事を知らないわけでもないんだ。
再不斬を死んだように見せかけたあの若者、絶対に追い忍じゃない。霧の追い忍は首を狩る。
が、オレが知るはずもないのだ。
おかげで一人やけに気を張っていた。家についてカカシをみんなで寝かせたあとは、自分も一言断ってそのまま寝た。
ああ、憂鬱だ。とはいうものの、若い体というのは元気なもので、疲れなんてものはもう吹き飛んでいる。ちぇー……いっそ熱でも出ればいいのに。
これでも他人の家にお世話になっている身だからね、しゃーないね。布団を畳んで、手綱さんの娘さんが朝食を作っているだろうからお手伝いしてこようか。
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