22. Kakashi, the copy Ninja.
桃地再不斬。それが相手の名だった。
最初はカカシが応戦していた。
結構、オレのあげた写輪眼を使いこなしているようだった。と思ったら、あっさり水牢の術で身動きできなくなっていて。
実は水牢の中にいるのは分身なのではないかと思っていたのだが、それを知る術は自分にはなく。
逃げろなどと言われても、逃げたところでどうしようもない。相手は上忍、こちらは下忍と一般人の計四人。逃げ切れるわけもない。
まず飛び出したのはサスケだった。
自分を奮い立たせるためか、再不斬に攻撃しながら大声を出していたが、声を出したら相手に気が付かれるので黙って攻撃するのは基本だって教わらなかったのか? もちろん、そんなのは口先だけで、自らを奮い立たすときに声を出したくなるのはしょうがないのだ。実戦だって初めてだろうし、しょうがない、しょうがない。
そしてあっさりやられていた。
どうすればいい。どうすればいいんだ? オレは嫌だ。死にたくない、死にたくない、もう死にたくない、嫌だ、嫌なんだ。
心を鬼にしてこの任務を中断していればよかったんだ。でも判断を先生に任せたのはオレで、いや、でも、カカシがこんなにあっさりやられるとは思わなくて、今戦えるのはオレ達だけで。
いやだ、死にたくない。でも逃げられない。でも、上忍相手にオレ達が勝てるわけねえだろ!
やらなきゃ、やられる、でも、どうすればいいんだ、でも。
相手はこちらをナメくさっていた。おかげで積極的に攻撃してくることはないようだ。自分の力を過信しているようだし、実際オレ達より強い。
「作戦を立てよう」
本当に相手をナメくさっているのなら、作戦を立てられても平気で突っ立っているはずだ。
カカシが桃地再不斬という男を語る。それが奴の何かを刺激したのか、サスケが攻撃される。刺激してくれるなって。
けど一つ作戦を思いついた。サクラはさっきから何もしてないし、これはサスケにやらせた方が自然だろう。サスケは頭がいいので気付いてくれるといいんだが。
多重影分身で奴の視界を遮る。影分身の一体がサスケに風魔手裏剣を渡す。ちゃんと気付いたか? 気付けよ?
手裏剣は投げられた。再不斬は片方を捕り、片方を避けた。
そして、その片方の手裏剣は、実はオレなんだぜ。
カカシが役立たずだ……。小説書くために見直してたらカカシ先生が役立たずだと気付くだなんて……
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