17. Who was targeted by the puddle?


 失礼な人だな、とオレは思う。
 誰かって、依頼人のタズナさんことだ。

 酔っぱらっていた挙句、初対面の人のことを指して「ちんちくりん」などという。
 個人的には金なんかいらんから任務放棄したいところだが、これは爺がわざわざ(ありがたくないけれども)任せてくれた任務で、更にはこの依頼人の任務を断れば謂れのない悪評をばらまくような気がしてならないので、はい、がんばりますよ。気が進まないのだけれども。

 里の施設以外のために外に出るのはなんといいますか、初めてなんだな。ナルトとしては。
 すこしわくわくするような、けれど命の危険度が増すからあまりうれしくないんですよね。

「ねえカカシ先生。タズナさんって波の国の人でしょう? 波の国に忍者はいないの?」
「波の国にはいないな」

 ……あれ? そうだったか? あ、あれ? 年は取るもんじゃないな、よく思い出せないが、うーん? ああ、そうだ。いるのは渦の国だったか?

「じゃあ外国の忍者と接触する心配はないのね?」
「そうだな。それにこれは、Cランク任務だしな」

 でも護衛って言うぐらいだから、一般人の盗賊とかと出会ったりする可能性もあるんだよなー。

 らんららるんらららーん。
 心地よい小鳥のさえずりを聞きつつ、何事もない道中というのは良いですのう。
 水たまりは飛び越える。これ鉄則。
 晴れた日の水たまりは青空を映し出すからいいもんだ。

 気づいた時には時すでに遅し。
 バラバラになるカカシ。

 ……やっべここ数日雨降ってねえじゃん! 水たまりはねえわ! 

 カカシがそう簡単にやられるとは思わないのでそちらは放置しつつ、少しだけ本当にやられたのではないかと心配してみる。

 問題は背後に表れた二人の忍だ。
 ちょっと焦ったもんだから反撃する余裕はない。鎖に巻きつかれる前にその場を離れる。
 その際に天才サスケ様が苦無と手裏剣を投げてくれたようで敵が軽く気に固定され、しかも敵二人の頭の上に乗るんだから、お前でしゃばりやんなぁ……。

 だが敵も甘くはないようだ。鎖を外してサクラに向かっていく。
 あれ、これ、狙いはタズナさんだな?

 タズナを守るサクラ。サクラの前に出るサスケ。

「せいっ」

 投げた苦無は敵に跳ね返され――はい、カカシ先生いいとこどりしていきますね……。
 




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