14. Only girls are in lunch time now.
「この演習は、仲間を想う心を見る演習だった」
――――え? カカシ、でもそれは、お前の考え方にはそぐわなくて。
「忍者の世界では、ルールを破るやつはクズ呼ばわりされる。けどな、仲間を大切にしないやつは、それ以上のクズだ」
頭が、真っ白になった。
それ、オレの言った言葉だろ? おう、言ったあと、すっげえ恥ずかしかったからめちゃくちゃ覚えてるんだ。だけどな、その前にな。
お前、本当にカカシか?
もしかして、カカシはオレこと――――すっげえ気に病んでるんじゃねえのか?
そうだ、思えば――――遅刻も、下手な言い訳も、まるでオレを真似してるみてえじゃねえか。
カカシ、お前は――――。
「かっこいい!」
サクラが言った。かっこいい? それはただのバカな少年の戯言だったんだけどなぁ。
「これにて演習は終了した。犠牲が伴う任務でもしっかりこなし、仲間に鈴を与えたナルト、そして、失格になると分かっていながら弁当を食わせたサクラとサスケ! 三人に合格を言い渡し、明日より、第七班は任務開始だ!」
「はーい! やったね、ナルト、サスケ君!」
さっきまでふさぎ込んでいたサクラはどこに行ったのやら。てか、合格しちまったな。
「帰るぞー」
……縄抜けするかぁ。別にさっきしてもよかったんだが、縄抜けすると怒られるのは目に見えていたわけで。
「ね、サクラちゃん」
「何よ、ほら、一緒に帰るわよ?」
「一緒にお弁当食べない? 作りすぎちゃって。サクラちゃんが食べてたのはもう砂埃だし」
カカシのおかげでな。
「え、ホント? あ、じゃあ……いただこうかな!」
一度去っていくサスケとカカシを振り返った。……ああ、つまり、サスケも一緒に呼ぼうと思ったけど、弁当の量がどれくらいかわからないし、胃袋を捕まえられても困る、と。
恋する乙女だな。
おふくろの味と称される弁当をサクラと食べたあと、二人で正門まで帰った。……仲良くなれたかなぁ。
……なぁ、カカシ。お前、変わっちまったな。
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