13. you are changed.


「見ろ、この石碑を」

 そうして指すは、そう――――慰霊碑。

「これは英雄の石碑だ。殉職した英雄達の、だ」

 その場の空気が息苦しいものに変わっていく。
 忍。それは、死の伴う職業だ。

「俺の親友たちの名前も刻まれている」

――――その中に、オレは入ってんのか?

「チームワーク。それは必要不可欠なものだ。よって、サクラとサスケの二人を合格にする」

 サスケはフっと笑ったが、サクラの表情はまだ固かった。

「が、この演習は昼飯を食べるまでだ。二人とも、絶対にナルトには食わせるなよ?」

 ということで、絶賛丸太に縛られ中である。

「ナ、ナルト……」
「なーにー? そんなに思いつめてちゃかわいい顔が台無しだろうに」
「ほ、ほんとに……よかったの?」
「あったりまえー! やる気がない人よりはやる気のある人が忍になるのが一番いいって!」
「でも……」
「はいはい、この話は終わりにしよう、ね。オレ朝飯食ったからお腹減ってねえし!」
「あ、それ……はい」

 口元に運ばれたのは、サクラが食べていた配給された昼飯。

「……サクラ、話聞いてた? 失格になっちゃ、オレがここに縛られてる意味ないよ?」
「でも、」
「大丈夫だ」
 サスケが言う。
「あいつの気配はない。オレもやるよ」
 ……ありがたいが、野郎からの飯はいらんわー。気持ちだけもらっとく。
「んもうっ!」
「むん!?」
 サクラにご飯を無理矢理つめられた! ちょ、あ、間接キスだな!

「ほら、オレのもや」

「お前らあああああああああああああああああああああああああああ!」
「うわあああああああああ」「きゃああああああああああ」「な!?」

 砂埃をあげながら現れたのはカカシである。完璧な気配隠蔽だ。

「ルールを破ったってことは、罰を受ける準備は出来てるってことだな?」

 まさに、ルール第一のカカシのいうことである。あーあ、これじゃあ失格に――――

「なーんて、な。全員、合格だ」

 え、と小さく漏れたのは誰の口からなのか。多分俺だった。




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