12. Is the teamwork important?
チリンチリン。
軽快な音をさせて二つの鈴が鳴る。
――――取った!
手加減をされていたのは重々承知だが、見事に二つの鈴を取ったのだ。もう少し自分の手柄を眺めていたいところなのだが、二人の不信感を煽るのも困るので、華麗に投げてみた。あ、サクラ落とした。
「……ふーん? ナルト、お前は鈴いらないのか?」
「いらないかも!」
サスケの忍術のおかげでイチャイチャパラダイスを仕舞わせることには成功したものの、見事に無傷だったカカシは手を顎に当てて考えた。
「……もしかして、お前らこの演習の意味わかっちゃったりしたの?」
……何って、任務優先だろ?
「ち、ち、ち、チームワークです!」
下をむきっぱだったサクラが慌てるように言った。……どうやら、仲間を一人見捨てることの罪悪感に押しつぶされていたらしい。
サクラはいい子だ。いくら感情制御の教育をされている忍でも、結局は一人の人間にすぎない。悲しみ、笑い、怒る。そんな人間だ。
サクラはきっと――――医療忍者向きなんだろうなぁ。
「……へぇ」
だが残念ながら、不正解だ。任務最優先というカカシの考え方と、チームワークは確かに似ているものだが、似て非なるもの。
ただ、今回は、仲間割れとなる原因の「アカデミー行き」がオレにとっては利益だったから、何事も荒立たなかっただけだったんだよねー。
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