9. Here is the friendship!
「一つ質問する。お前は本当に忍者にならなくていいのか?」
「――本当だぜ?」
口角が自然と上がった。サスケはバカだけど、やはり頭がいいだけはある。流石、うちは。あ、いや、これは自画自賛ではなく!
「理由は」
「んーっと、これは忍者になるやつの言葉としておかしいから、できれば軽蔑してほしくないんだけどなー。死ぬのが、怖いんよ。オレは、死にたくない」
「……そんなの、あたしだって同じよ」
黙っていたサクラが口を挟む。この様子は先に提案を聞かされていると見た?
「そこで提案だ」
「みんなで協力して、サクラとサスケの二人で鈴を、ってこと? オレは全然おっけーだよ?」
サスケはじっと見返してくる。サクラは居心地が悪いのか、下を向いた。卑怯な手で鈴を奪っているわけじゃないけど、正々堂々でもない。真面目な子には、しっくりこない話なんだろうな。けど、ね?
「ほらほらしんみりするでない。オレ的には忍になりたくなかったから、逆にありがたいかなーってぐらいだよ」
下忍の試験に落ちたから下忍にならない。上役は納得しないだろうが、これはいい機会だ。普通、とはいかないまでも、平穏に生きる機会が。
「……嘘。じゃ、ねえなぁ?」
サスケがニヤッと笑う。
「ひひ」
オレもつられて笑う。今ここに、オレとサスケの友情生まれたり。
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