7. Two bells divide by three people.


 忍道具一式揃えて待ち合わせについた朝五時。いや、とっくに八時だった。

「サクラちゃん」
「……何よ」

 落とされるかもしれない、という言葉を聞いて不安なのか、返事はいつもよりぶっきらぼうだった。

「大丈夫大丈夫。この班は良いメンバーだし。それより、あの先生はずれっぽくない? 五分前行動れないとか、大人として尊敬できないよね」
「そうね」

 で、結局サスケ放置でしゃべっていたわけだが。っていうか会話の途中で朝飯を抜くのを忘れていたことに気付いた。しまった。普通に食ってきちまったぞ。

 そんなこんなでカカシが待ち合わせ場に来たのは十一時だ。サクラちゃんと喋ってから地面で寝そべっていたらそのまま寝落ちしてしまったので体中が痛い。うー。

「黒猫に横切られてな」

 ……いや、そんな言い訳をね、言われてもね、オレ達はどうすりゃいいのか……。っていうか、約束の時間に現れないっていうのは、結構不安煽るんだぜ? ま、班の人がみんないるっていうのがそれを防いでくれたけど。今回は。

 演習内容は正午までに二つの鈴をカカシから奪い取ること。奪えなかった人は昼飯抜き、と。……昼飯一応リュックに入れてるんだが、と思ったら丸太に縛り付けられるらしい。ありゃま。
 
 で。鈴、二個?
 
 サクラが質問する。

「取れなかった奴はアカデミーに戻る、それだけだ」

 それは、悪魔の言葉。仲間割れを促す言葉。

 ……さすがの上忍の忍び。人は、如何にして考えるかを心得ている。
 カカシはここで、仲間と協力させたうえで、誰かを犠牲にして二つの鈴をオレ達に取らせようとしているのだろう。

 そう、考えていたオレがいた。




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