5. Let me introduce myself.
「まずは……。君ね」
「ん? オレ?」
「そう」
……まるで、カカシは別人だよな。すぐに慣れるのだろうけど、なんだかなぁ……。もう一度会えるとは思わなかったけれども、別人になってたら感動が薄れるというかなんというか。
「えーっと……。名前はうずまきナルト。一人称はオレ。そこらへんはスルーして頂けるとありがたいかなーって思ってる。これくらい……? あと、これは言っておきたいー、かも。アカデミー留年しすぎて卒業できるとは思わなかったから、正直下忍とか別になるつもりなかったんですよ。もちろん、なった暁にはしっかりとみんなと協力して上を目指しますけど、何かあったら忍やめて一般人として暮らすと思います。うん、はい」
これは、知らせておかなくてはならないことだ。口に出すことで、九尾が何を考えているのかを伝える。村としては、九尾がいきなり強くなったのを警戒してるだろうしなー。
「ふーん? 好きなものとか嫌いなものは……まぁいいよネ。じゃ、次。隣の女の子」
あ、やべ、そこらへん普通に忘れてたわ。
「あ、はい!」
自己紹介するサクラちゃんはまさに恋する乙女。好きなものでサスケ君見すぎ。うちはの男は控えめな女性が好みなんだぞ!
そして、自己紹介の順番はさっきからダークなオーラを出してるサスケに移る。
「名はうちはサスケ。嫌いなものはたくさんあるが、好きなものは別にない。夢ともいえるが、野望がある。一族の復興、そして、ある男を殺すことだ」
……こりゃ随分と重症だ。はぁ。
っていうかこいつ、復興って。
色の授業を受けておきながら、公然で堂々と復興宣言か。この年の男子って普通はそういう話は真顔で言わねえぞ……。
というか復興したいなら女子からの告白を受ければいいのに。適当に結婚して裏切られて殺されることもあるのだから、いい女を見つけて従順に自分の手で育て上げる、とか、そういうのもいいと思うんだが。い、いや、別にオレがそうしたわけじゃねえんだけど!
サスケの宣言で、この場は見事に静寂に包まれた。空気の読めない男だ。うちはらしい男とも言えよう
。
ある男。それは誰か。一番高いのは、兄のうちはイタチだろう。……子供は、目の前で起こった事実しか信じないって言うか、まぁ……。オレが助言できることもないんだよなぁ。ピリピリとしていた爺の顔を思い出す。大人の世界は、知らない方がいいことばかりなんだよ。
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