4. Unbelievable scarecrow.


「じゃあ、そこに座っといてよ。まずは自己紹介でしてもらおうかね」

 ……随分とのんびり喋るなぁ。教室には盛大に遅刻して来るし、一体お前はどうしたんだ……?

 先ほどからカカシをじろじろと見ているわけだが、これも初対面の先生が気になっているという解釈をしてもらえばいいだろう。ってわけで観察を続ける。

 時間にきっちりだったやつがあんなにルーズになって……。たまたまかもしれないし、ここに来る前に任務があった可能性もあるが、教室にはのんびりと現れたわけだし……。
 こんなのはオレが知ってるカカシじゃないんだが。人って、変わるんだなぁ……。いやでもこれは変わりすぎだと思うぞ。そもそもカカシとオレが言い合いしてたのはカカシの考え方にも原因があったわけで。まぁあの考え方は、ある意味忍としては正しいのだけれども。

 伸びた身長、相変わらずマスクで顔を隠し――――額当てで左目を隠している。

 そこにはオレの左目が入っている、はず。

 いくらリンが優秀な医療忍者だったとはいえ、目の移植に失敗した可能性もある。何か理由があって目を隠しているのか、はたまた目が見えないので隠しているのか。まぁマスクを脱ぐことはなくても、それはそのうちわかることか。ま、リンのことだから成功してるだろうがな!

「自己紹介って……どんなことばいいの?」
「そりゃあ好き嫌いだとか、将来の夢とか趣味とか。ま、そんなのだ」

 ……ハキハキしていたカカシは一体どこに。……リンが、カカシを変えたのか、な。

「えー、じゃあ先生が先に自己紹介してくれよ」
「オレか? オレははたけカカシっつってな。好き嫌いをお前らに教える気はない。将来の夢って言われてももうこんな年だし、まぁ趣味は色々あるな」

 ……うざっ! 協調性と信頼が大事な忍として、それはないだろ! お前クシナさんに憧れてたろ! オレ知ってるんだからな!

「なんだあの人、チーム組む気あるのか?」
「ね。結局わかったの名前だけじゃない」
「ね」

 こんなときにサスケはかわいそうだ。三人中二人が女子なおかげでガールズトークもどきになり、自然にハブられる。まぁ先生は男だし、サクラちゃんがバンバン話しかけるからぼっちにはならないだろう。

 サクラちゃんとは結構話が合いそう。仲良くできそうだ。




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