3. Are bathrooms safety place?
心臓はバクバクと鼓動し、頭の中まで音が響いてくる。
アカデミーの女子トイレの一室で、便器に座りつつ自分は一体どうすればいいのかと考えていた。いや、トイレに行くなんて言うのはうそだからわざわざ便器に座る必要はないのだけれども、監視が外れた今でもたまに爺が水晶玉を使って見ているので、変な行動をするのはできないのだ。わざわざプライバシーまでは覗かないだろうけど、たまたま見たらトイレしてました、なんてこともあるだろうし。
カカシ。なんで、お前が担当上忍になるんだよ……。
唸ったって担当上忍が変わるわけじゃない。それはわかってはいるんだけど、だけど……。はぁ。
会えたといううれしい気持ち、会いたくなかったという気持ちの板挟み。
いつまでもトイレにいるのはよろしくない。ズボンを穿いて水を流しつつ個室を出る。どうするかなぁ……ま、先ず初対面のフリをしとこう。一日くらいじゃ問題は発生しないだろうし。
教室に戻ればカカシ達七班はすでにおらず、黒板に集合場所だけ書いてあったので追いかけたところだ。
「すいません、なんか急におなかにゴロゴロって来て……」
「あら、大丈夫?」
「うん、多分牛乳のせい」
消費期限が昨日付だった、ね。
目上の人と話すのは久しぶりだな……喋りにくい。
――――カカシ。大きくなったなぁ。
感嘆が止まらない。まるで自分の子供が育ったかのような気持ちだが、まぁこれは年寄りだからということで勘弁してもらわねばならない。っていても、老成してるだけで年寄りになったことないんだけど。
本誌ネタバレがございますが、作品の説明をさせていただきましたので、よろしければ更新履歴をご一読ください。
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